AIによる不動産価格査定について
皆さん こんにちは。暑かったり涼しかったりと気候が激しく変化していますが、いかがお過ごしでしょうか。今後、AIにとって代わられる仕事がたくさんあるという話を聞いていますが、不動産鑑定士もその中に入るのか否か、少し不安に感じています。先日、ある土地の鑑定評価を行ったのですが、依頼者の方は、私に鑑定を頼むのと並行して、ネットでAIによる査定を行ったとのことでしたので、参考に評価額を教えていただいたところ、約3,600万円だったとのことでした。これに対し、私の評価結果は約4,500万円となりましたので、25%もの差が出ました。私はこの3,600万円という数字を聞いた時に、なぜこの数字が出たのか、直ぐにピンときました。相続税路線価や固定資産税評価額などの発表されている公的価格と周辺における古い取引データに基づき算出されたものに間違いないと思いました。それらを基に評価するとそのくらいの数字が出るからです。しかしながら、不動産の価格は刻々と変化するものであり、いくらAIを使っても採用するデータが古くては今現在の市場価格は求めることが出来ません。どのようなデータを入力するかはやはり人が行うことであり、今のところこの辺がAIの限界なのだと感じます。25%も異なる価格を信じて取引してしまったら大損すること間違いなしですので、AIによる診断はあくまで参考程度に考えておくのが良いと感じました。(写真はNEC様のページより拝借しました)