中国経済崩壊の危機?
昨今、中国の不動産デベロッパー大手の恒大集団が33兆円の債務を抱え、深刻な債務危機に陥っているそうです。リーマンショック以降、中国では不動産投資が進み、都市部を中心に不動産の価格が上昇しています。これには「不動産は値下がりしない」という中国版不動産神話が支えている面もあるようです。ところで、中国人の多くは「結婚前に家を持つ」という傾向が強いらしく、不動産バブルによって地域によってはマイホームの価格が平均年収の数十倍にも値上がりし、これから結婚しようとする若者にとっては全く手の届かない代物となってしまっています。今、中国では若者を中心に激しい競争社会に疲れた「横たわり族」と呼ばれる人々が増えています。結婚せず、子供を産まず、家や車も買わず、最低限の仕事しかしないというライフスタイルを実践する人々のことをそう呼ぶのだそうです。不動産価格の上昇もこうした人々の増加の大きな原因となっていることは明らかでしょう。中国政府は、この横たわり族の増加が中国社会の発展を大きく阻害する要因となることを懸念しており、これらの人々を減らすためにも、不動産価格の高騰が好ましくないと考えたようで、金融引き締めにより現在の不動産バブルを抑制しようと考えているようです。これにより多くの不動産会社が資金繰りに行き詰まり、次々と倒産しているようです。これは平成初期に日本においてバブル潰しのために行われた総量規制にも似ていると感じます。今後、中国政府がこのまま何らの手立てをも打たないで恒大集団が倒産した場合には、巨大なドミノ倒しが始まるとも言われており、その影響は日本経済にも重大な影響を及ぼすものと考えられることから、この行方を注視していく必要があると感じます。